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フジカ・アルパカ・アラジン

アラジン ブルーフレームヒーター16型・前期モデル~ビンテージブルーフレームとの出会い 

アラジン熱が上がってしまい、39型では飽き足らず
とうとうビンテージに足を踏み入れてしまった。

オールドコールマンランタンの世界と同様に
アラジンブルーフレームにもビンテージがある。
15型~16型がそれにあたる。

やはり、オールドモデルには独特の雰囲気があり、
細部に至るまで作りに手がかかっている。

どの商品も量産されるようになると
コスト削減で品質が低下するのは仕方のない事なのか・・

職人が丁寧に作りこんだ逸品に
言葉で言い表せない魅力を感じるのは私だけではないだろう。

これで、またキャンプの楽しみが一つ増えた。

アラジンブルーフレームヒータービンテージ16型・前期モデル

このアラジン16型の前期モデル
既に50年以上の時を経ており
すさまじいオーラを持っている。

ホーローの剥がれ具合や
錆、傷さえも魅力的だ。

キャンプに持っていくアラジンが
どうしてももう1台欲しくて
自分と同年代のアラジン16・前期型を56歳の誕生日に購入した。

もちろん、通常ではこんな古いモデルは手に入らない。
オークションを探し回って見つけた1台。

今回お譲り頂いたオーナーさんは
かなりのアラジンコレクター。

しかもキャンプではお持ちの
「武井バーナー501」をお使いになられているとのこと。
これは、間違いなく燃焼系を扱わせたら本物の人物と見た。笑

運よくそんなオーナーさんが
大事にメンテナンスしていた1台に巡り会うことができた。

オーナー様から頂いた手紙


オーナー様から頂いた手紙 ここから↓↓↓

基本操作について

自分も16型は気に入っていてオークションに出すのをかなり迷ってたのですが、
シーズンオフに置く場所も狭くて仕方なく手放しました。

大事にしてくれそうなオーナーに出逢えて活躍してくれると思ってます。

16型は少しデリケートな感じはありますが、
現行の芯が使えて交換も39型と比べて簡単ですし、
部品点数も少ないのでメンテナンスも楽です。

タンクとフレームの接続してる袋ナットはアラジン全般に言えるのですが、
ネジを強く締め込むとボルトが折れやすいので手で締めてます。

到着しましたら手で増し締めして緩んで無いかを確認して下さい。

送付に際して灯油は出来る限り抜きましたので
点火する前に灯油を入れて30分ほど待ってから点火して下さい。

自分は一昨年に愛媛のリサイクルショップから購入したのですが、
今回お譲りする16型は1966年頃~1970年に製造された16型の前期モデルです。

タンク裏には、以前のオーナーさんが芯を3回変えた形跡の年号が書かれてたので
1966年から使われてたとすると、
最低でも既に50年間ぐらいは稼働してたと思われます。

固着してた芯は多分20年ほど前の芯だと思うので
前のオーナーが固着した芯を回そうとしてギヤを潰してしまい、
使用を諦めてから、20年以上倉庫で眠っていたのではないかと思います。

今回はあえて窓の雲母も交換してないので、
およそ50年前の青い炎を楽しめると思いますので楽しみにお待ち下さい。

また、何か解らない事がありましたらご連絡下さい。
解る範囲でお知らせ致します。

アラジン16型のオーナー様からの手紙2


頂いた手紙に、
「私もオールドコールマンを長年愛用していて、古いものが大好きだ」
という旨の返事を送ったら、また新たにお手紙を頂きました。


お持ちのランタン、
55年前のコールマンでしたら200Aとかでしょうかね?

自分もヴィンテージランタンに憧れはありますが
キャンプを始めた20年前ほどに購入したノースター2000を
最近、色をアラジンホワイトに塗り替えて未だに使っています(笑)

春先のキャンプにアラジンを使ってみたいと思いながら
武井バーナーのストーブ501と201を持っているので
未だ実現はしてませんが(笑)

極寒時期のアラジンの点火について

アラジン全般に言えるのですが
極寒の早朝なと火が点きにくい時が年に数回あるかと思います。

その場合、ライターで芯を焙りながら火を点けるのですが
点けた時の芯の出しろでは温まってくると
芯が出過ぎで異常燃焼になる事があるので注意して下さい。

灯油はガソリンなどと違い、気化しにくい液体なので
綿芯に染み込んだ灯油が気化して
無数の穴から空気が供給されて青い炎になります。

寒い早朝など気化しにくい状態にある場合の点火では
芯が出過ぎでの点火になっています。

1分~5分ほどでバーナー部分が温まってくるので
気化が促進されます。

その時に芯を適正な高さに調整して下さい。
炎の高さで言うなら1センチほどの青い炎に調整して下さい。

点火維持のままの芯の位置ではNG。芯の高さの調整が必要。

出過ぎの状態で放置すると炎の高さが高く
青い炎の上側に赤い炎が出た状態で燃焼させ続けると
時には異常燃焼でススを発生しながら灯油が無くなるまで燃焼し続けます。

灯油の消費も早いです。

最後は灯油が切れて綿芯が燃えて
部屋がススで真っ黒になります。

ですので、
点火して5分ほどは時々、
炎の状態を確認して下さいね。

1度芯の調整をすると
後は時々、灯油の残量を確認する位で
特に注意して頻繁にチェックする必要は無いかと思います。

部屋全体が温まってからは?

部屋の空気が暖まると酸素の密度が変わり、
時に青い炎の中に赤い炎の筋が見える時がありますが、
異常ではありません。

青い炎の上側にパチン パチンと赤火が出る時は
灯油の不純物や部屋の埃が燃えてる時です。
匂いが無ければそれほど注意する必要はありません。

暖まってきて青い炎に一部赤火が出る時は
赤い炎の場所のチムニーが取り付けられている
『24穴が開いてる部分』を指で軽く押してみて下さい。

押しすぎると反対側に赤火が出てしまいます。

2週間ほど使って上記の対策で改善されない場合は
芯クリーナーで芯の掃除をするか、
無数に開いてる空気の通り穴に埃が付着してないかを
チェックしてみて下さい。

使う灯油の状態でも少し炎の違いがある様です。
青い炎の中に筋が入る場合、青い炎だけで燃焼する場合、
等々、部屋の温度でも微妙に炎は変化します。

傾向として部屋の温度が低く時は青い炎だけの時が多いです。

1センチほどの青い炎の中に赤火の筋が入る場合は
基本的には匂いが無ければ異常ではありませんが
日々、アラジンの炎を見ていると色んな状態の炎が確認できます。

どのような状態にアラジンがあるか、
慣れると把握できると思います。

消火時について

消火する時も芯を下げた状態でも
炎が芯を回る様な事を確認出来ると思いますが
これは異常ではありません。

気化したガスを消火の時の匂いを出さない為に
最後にガスを燃やしている状態
なのです。

1分~2分位で炎は消えます。

慣れると
「消火するギリギリの所に芯を下げて匂いをまったく出さずに消火」
する事も出来るようになります。

現行モデルの39型アラジンとヴィンテージアラジンを比べた時に
青い炎の中に赤火の筋がヴィンテージアラジンに見られる時があります。

ヴィンテージアラジンのデラックスは
チムニー内部に補強板が付いていて蓄熱が39型よりあるので
空気の流れが若干速いのでは無いかと思います。

蓄熱のお陰で39型やヴィンテージアラジンのスタンダードより
横方向が暖かく感じます。

オーナー様からの手紙3~アラジンと耐震消火装置の歴史

アラジンにも色々な種類がありますが、
16型以降のアラジンは日本規格に合わせた自動消火装置が付けられてしまい、
重さが重くなってしまってます。

※耐震消火装置が導入された38型↑↑↑

灯油を入れる時の持ち運びに39型、38型などは重たいので
女性には敬遠されると思います。

そもそもが、昔の国産ストーブは転倒させると炎上する機種がほとんどで
中には燃焼していても一酸化炭素を出しながら燃焼する物もあり、
非常に性能の悪い物が多かったのです。

15型アラジンなど転倒させても炎上せず、
引き起こすと何事も無かった様に燃焼を続けます。

16型アラジンは更に安全性を高める為に
2重タンクを採用してます。

当時の国産ストーブの性能の低さに合わせる為に
国がストーブの規格を決めてしまったので、
アラジンも色々な自動消火装置が付けられてしまい
16型以降は魅力が無い物も多く見られます。

転倒しても炎上しないアラジンにとって
そもそも、自動消火装置など必要ありませんしね。

16型でも前期と後期ではデザインが違いますが、
作りに手の込んだ前期の方が魅力的です。

後期はコストダウンで作りが簡素化され、
魅力がダウンしてるのは否めません。

前期でもデラックスは見た目だけ出なくメッキ部分を増やしたり、
チムニー内側に補強板を付けて蓄熱アップさせたり、
耐久性を上げて作られており、見た目だけのデラックスでは無いので、
16型前期デラックスをお選びになった事は正解だと思います。

アラジンをわざわざ粗悪品にしてしまうオークション出品者に警鐘


よく、オークションでアラジンを販売されてる方も居ますが、
燃焼部品を強い薬品で綺麗にしたり過度の磨きや、
時にはホウロウを剥がして耐熱塗料で見た目を綺麗にしている方が居ます。

薄い金属のアラジンを過度に磨いたり、
ホウロウを剥がしたりすると強度が下がり
アラジンの寿命を下げている事になると私は思います。


チムニーや天板など薄い鉄板の強度を上げる為に
ワザワザ手間が掛かるホウロウにしているのに、
剥がしてしまうのは本末転倒かと。

見た目だけ綺麗にすれば、
詳しくない方は高額でも購入すると思いますが・・・

私は少しでも長く使って頂ける様に
バーナー部分も過度の磨きはしていません。

薄い真鍮部分のバーナー部品を磨きすぎると
見た目は良くても耐久性は下がります。

使えば直ぐバーナー部品は熱で黒く変色しますので、
私は売る為だけの磨きはやらずに、必要最小限に止めてます。

年々、ヴィンテージアラジンも質が落ちてきてる様で、
見た目だけになってるアラジンや
直らないジャンク品に手を出さなかったのは得策だったと思います。


時々、炎のチェックをして頂いて必要最小限のメンテナンスして頂けましたら
16型は製造から100年間は青い炎を見せてくれると思います。

ヴィンテージのランタンも所有しておられるのでしたら、
アラジンを使いこなして頂けると確信しています。

長々とメッセージ失礼いたしました。


↑↑↑
オーナー様からのお手紙はココまでです。

アラジンストーブ16型のまとめ

あまりのルックスの良さ
ビンテージの作りの細かさから、ゾッコンになって
39型に引き続いてオークションで購入した今回の16型。

アラジン本体ももちろんだが
譲ってくださったオーナーさんとの出会いも素晴らしかった。

今まで、散々ヤフオクの世話になって来たけれど
「自分が譲ったアイテムにこれだけこだわりを持った方」
と出会ったのは初めてだ。

頂いた手紙から伝わる
アラジンや武井バーナーと言ったビンテージ物への愛情の深さ。

いいものを大切に使いたいし、使って欲しい・・
という気持ちが直に伝わってきて、
本当に良い買い物、良い出会いだったと感じています。

さぁ、
このアラジンビンテージ16型も
フィールドへ連れ出そう。

冬のキャンプがますます楽しみになった出来事でした。

 

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